僕と彼女の逸楽#1 〜君・星・願で文を作ると好みがわかる〜
- OyakoDon

- 2019年5月11日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年4月6日
説明しよう!「僕と彼女の逸楽」シリーズとは、「僕と彼女の恋愛観と人生観についての記述」の番外編である、恋愛モノ超短編の作品群のことであ〜る!
ツイッターで見かけたハッシュタグで、「君・星・願で文を作ると好みがわかる」というものがあった。面白そうだったので、短編のお題として書いてみることにした。女性目線の文をあまり書いたことがないので少し変かもしれないが、ご了承頂きたい。
「…気に入らない。」 「え?」 プラネタリウムかと疑うほどの綺麗な星空の下で、君−法星 俊哉(ホウジョウ・シュンヤ)−は苦言を呈した。それは、墨汁を溢したかのような黒々とした空を駆ける、1つの流れ星を見つけて両手を合わせた時だった。 「もう!流れ星行っちゃったじゃん!」 そう言い放った私−折尾 里唯(オリオ・リユウ)−は、はぁ….と深い落胆の溜息をついた。白くなった呼気を一瞥して、彼に視線を向ける。私が企画したデートが気に入らなかったのだろうか。今日の彼も、現在の外気温といい勝負が出来るほど冷たい。 「流れ星に願い事をする風習、馬鹿馬鹿しいと思わんかね?」 「夢がないなぁ…俊ちゃんは。」 そっちか。私は世間一般に「迷信」と言われる類のものをを信じているが、彼は信じていない。テレビで取り上げられた心霊写真を見ればトリックだと判断し、占いもバーナム効果がどうだこうだで、信じる気はゼロである。少しくらい夢を見させてほしいと思う。 「星に願っても叶えるのは自分だろ?星が何かしてくれるわけじゃない。叶えてくれないし応援すらしてくれない。何なら他人に宣言した方が叶えやすいもんだろ。モチベーションも上がるしさ。ついでに星に願う行為自体も、星以外の物で代用できる。三回唱える事で自分に願いや目標を刷り込めるから、目標に向かって突っ走れるって言うメカニズムなんだよ。」 「ん。それじゃあ、今日の目標を発表します。」 私は体を彼の方に向けた。 「いや、今発表しなくていいから。」 「宣言すれば叶えやすくなるんでしょ?」 「まぁそうだけど、別に今じゃなくてもいいじゃん。」 彼は空を眺めていた。視線の先にはオリオン座があった。 「今じゃないとダメなの!」 「はいはい、聞いてやるよ。」 彼はまだ空を眺めている。 「私の今日の目標は… 俊ちゃんに好きだと伝えてお付き合いを始める事です!」 「え?」 「ずっと前から好きだったんです!良かったらなんですけど、私と付き合ってくださいませんか?俊ちゃんがオッケーしてくれないと、このお願い事は叶わないの!」 数秒の沈黙の後、彼は口を開いた。 「ふん。その願い、星の代わりに叶えてやる。好きって三回言ってくれればの話だが。」 「…俊ちゃんの意地悪。」 「なんか言ったか?」 「あ、すみません… えっと… 好き!好き!好き!大好きだよっ!」 そう恥ずかしがっていると、彼はギュッと私を抱きしめた。 彼は冷たかったけれど暖かかった。

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